お部屋を借りる際の初期費用としてどんなものが必要なのかを調べると前家賃という項目があります。耳にした事はあっても少し複雑な【前家賃】について解説していきます。

前家賃って何?

そもそも前家賃というものは何なのか?というお話ですが『前の月』に『次月の家賃』を支払う契約の場合『家賃は前家賃として前の月に次月分を支払う』事になります。これが前家賃です。では後家賃はあるのか?というと、かなり珍しいですが存在します。1ヶ月間借りたお部屋で生活して、その月末に家賃を支払う契約になっている場合は『この物件は後家賃だね』という事になります。ただ後家賃については札幌市内でもほとんど見つけることは出来ませんので、さらっと聞き流して頂いて問題ありません…

契約費用の中に出てくる前家賃について

前家賃という仕組み自体は上で説明した通りですが、契約時に支払う項目として登場した際に、同じ物件でも入居するタイミングによって金額が変わることがあり少し複雑ですので、具体的にどう金額が変わるのか?実際に例を挙げながら解説していきます。物件は以下の条件で仮定してみます。

  • 家賃50,000円
  • 4月1日から入居する場合
  • 4月16日から入居する場合
  • 4月20日から入居する場合

『物件は決まったものの、いつから入居しようかなぁ?』『前家賃の金額はどう変わるのかなぁ?』という状態だと想像してみて頂けると幸いです。ほとんどの物件では契約を開始する日(入居する日)は基本的にお客様のご都合に合わせて設定可能ですので、下記の例を参考に設定しましょう。

※貸す側は、出来る限り早く家賃が発生する方が望ましいので、あまり遅いタイミングを提示すると断られるケースがあります。一般的にお部屋を決めた日(申し込み手続きをした日)から1ヶ月後くらいまでは契約開始を待ってもらえる事が多いので、その範囲内でご自分の予定に合わせて設定しましょう。

4月1日から入居した場合の前家賃と入居後の初回家賃支払い時期カレンダー4月1日入居

初期費用として支払う前家賃
4月分前家賃 50,000円
5月分家賃(入居してから最初に払う家賃) 5月分は入居後、4月末迄に支払う
合計 50,000円

4月1日(月の初め)から契約をする場合は一番わかりやすく、前家賃の金額は家賃1ヶ月分です。この場合はあまり混乱することは無いかと思います。入居してからの初回家賃の支払いは4月末に5月分を前家賃として支払う事になります。

※ここでは家賃の支払い日を4月末と記載していますが、物件によって27日、28日が支払期日というケースもございますので、実際の契約内容をご確認ください。「前の月の末頃に次の月の家賃を支払うんだなぁ」と理解してもらえればOKです。

4月16日から入居した場合の前家賃と入居後の初回家賃支払い時期カレンダー4月16日入居

初期費用として支払う前家賃
4月分前家賃(日割り半月分) 25,000円
5月分家賃(入居してから最初に払う家賃) 5月分は入居後、4月末迄に支払う
合計 25,000円

4月16日(月の真ん中)から契約をする場合は、前家賃の金額は家賃半月分(厳密に言うと日割り計算)です。この場合一番安いと錯覚してしまうケースがあります。【初期費用としての前家賃】は安いですが、二週間も経過しないうちに次月分家賃として家賃1ヶ月分を支払う必要があります。

※物件によっては10日以降の入居の場合、次月分も先に支払う必要があります。16日入居の場合でも次月分を先に支払わなければならない可能性もございます。得する損するというお話ではなく支払うタイミングの問題ですが『25日のお給料日がくれば次月分も払える』といった状況も考えられますので、その場合は不動産会社に相談してみましょう。

日割り計算って何ですか?

先ほど出てきた日割り計算というのは、今回のように月の途中から入居する場合につかわれます。1ヶ月分の家賃を30日で割って、1日あたりの金額を出します。今回の例でいえば

50,000÷30=1666.6666円

となり、1日あたり1666円という事がわかります(割り切れない場合は切り上げたり、切り下げたりしますが、管理会社によってルールが違います)それを契約開始日から月末までの日数を掛けて計算されます。今回の例でいえば

1,666×15=24,990円

となります。ここで注意が必要なのが、日割り家賃の計算方法は貸す側によって微妙に変わってきますので(1ヶ月が31日の場合でも30日で計算するところもあれば、10円以下は切り上げだったり、切り下げだったり…)こちらも物件によって確認頂けると間違いありません。上の計算で行くと、4月16日から入居する場合の前家賃は24,990円になりますが、これも管理会社によって微妙に異なります(16日からであれば単純に家賃÷2でいいよという場合もございます)

4月20日から入居した場合の前家賃と入居後の初回家賃支払い時期カレンダー4月20日入居

初期費用として支払う前家賃
4月分前家賃(日割り11日分) 18,333円
5月分家賃(入居してから最初に払う家賃) 50,000円
合計 68,333円

4月20日(月の下旬)から契約をする場合は、前家賃の金額は日割り家賃(今回の例でいえば11日分)+次月分の家賃です。この場合、初期費用として支払う前家賃の金額は一番多くなります。ただし次月分の家賃をすでに収めていますので、入居後の初回家賃支払いは5月末に6月分を支払います。

大家さんや管理会社によって異なる部分もありますが、一般的に入居日が月の下旬頃になると『次の月の家賃も契約の時にまとめて支払ってね』と言われるケースが多くなります。この場合、お部屋に入居した後、一週間程で次の月の家賃を支払うタイミングが来てしまいますので『まとめて最初に…』という考え方になる事が多いようです。

フリーレントの交渉をしてみましょう

月の下旬から入居する場合、日割り家賃をサービスしてもらえないか交渉してみましょう。不思議な話ですが、今回のようなケースで4月分の日割り約10日分をサービスしてもらえるか?という交渉と5月1日から契約して10日分家賃をサービスしてもらえるか?という交渉では、4月下旬の日割り家賃サービスの交渉の方が不思議とスムーズに出来るケースが多いです。

通常、住替えのお客様は現在契約している物件の解約・退去の立会を月末に行うことが多いので、お部屋を決めて、新しいお部屋にお引越しをする作業をそれまでに終わらせておく必要があります。ただ家賃が重複しないように…と月の初めから契約開始としてしまうと月末に引越を終わらせる事が出来なくなってしまいますので、一週間から10日ほど前に新しいお部屋の鍵を貰い、家賃は重複しないように翌月からという形にすると、とてもスムーズです。不動産会社の営業マンもその辺りはしっかりと把握していると思いますので、出来るだけ家賃が重複しないように、お話してみましょう!

契約時に支払う前家賃の金額についてのまとめ

ここまでいくつかの例をあげて説明してきましたが、前家賃は少し複雑な部分も多く、金額が入居するタイミングによって変わってきます。前家賃については契約時に支払う金額】【入居後の初回家賃をいつ支払うのか】を合わせてご確認頂く事が大切です。

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