札幌市外や道外からお引越しのお客様から一番聞かれることが多いのが『どこのエリアが治安が良いのか?悪いのか?』です。イメージや先入観によって語られる事も多い治安の良し悪しを、札幌市が発表している統計情報に基づいて解説してみます。

札幌市が公開している統計情報

札幌市のホームページ上で発表されている犯罪認知件数をエリア別にまとめてみます。各区の人口と【犯罪件数÷人口=犯罪発生率】も合わせてみてみましょう。

エリア 犯罪認知件数(2017年) 各区の人口(2018年) 犯罪発生率
中央区 2,904件 241,267人 1.2%
東区 1,798件 264,312人 0.68%
西区 1,177件 214,973人 0.54%
南区 639件 139,157人 0.45%
北区 2,346件 287,761人 0.81%
白石区 1,606件 210,686人 0.76%
豊平区 1,216件 220,905人 0.55%
厚別区 616件 126,421人 0.48%
清田区 442件 115,746人 0.38%
手稲区 818件 141,690人 0.57%

※この統計では、仮に別の区に住んでいる方が中央区で犯罪を犯したとすると、中央区の件数となります。人口統計の中には他区に住んでいて中央区に通勤・通学をしている人数を加算した昼間人口(ちゅうかんじんこう)という統計もあり、その数値で計算すると、中央区は昼間人口386,602人となり犯罪発生率0.75%になります。

統計上の治安の良い街ランキング

上記の数値を犯罪発生率で並べ替えると、

  1. 清田区…0.38%
  2. 南区…0.45%
  3. 厚別区…0.48%
  4. 西区…0.54%
  5. 豊平区…0.55%
  6. 手稲区…0.57%
  7. 東区…0.68%
  8. 白石区…0.76%
  9. 北区…0.81%
  10. 中央区…1.2%

となります。今回の統計情報では【最も犯罪率の低い治安の良いエリアは清田区】【最も犯罪率の高い治安の悪いエリアは中央区】ということになります。

皆様のイメージと比較するといかがでしょうか?ニュースで取り上げられるような凶悪な事件があったり、知人・友人が○○区に住んでいて空き巣に入られた…といったお話があれば、そのエリアのイメージが悪くなってしまったりする事もあります。実際に不動産会社の担当者に『どのエリアが治安が良いか悪いか?』と質問すると、担当者によって違う答えがかえってくることもあるかもしれません。

もう一つの統計情報【持家比率・賃貸比率】

ここまでの統計情報と合わせてもう少し掘り下げて考えてみましょう。なぜ清田区や南区は犯罪率が低いのでしょうか?各区の治安の良さと関連性のありそうなもう一つの統計情報を紹介します。それが【持家比率・賃貸比率】です。こちらも少し古い統計ですが、表にまとめてみます。平成22年の国勢調査結果からの統計です。

エリア 持家比率 賃貸比率
中央区 41% 57.4%
東区 40.4% 57.3%
西区 50.6% 47.7%
南区 61.5% 36.4%
北区 51.1% 47.1%
白石区 36.7% 61.8%
豊平区 40.5% 57.9%
厚別区 51.9% 47.1%
清田区 71.5% 25.7%
手稲区 66.6% 32.3%

こちらも持家比率の高い順番に並べ替えてみます。

  1. 清田区…71.5%
  2. 手稲区…66.6%
  3. 南区…61.5%
  4. 厚別区…51.9%
  5. 北区…51.1%
  6. 西区…50.6%
  7. 中央区…41%
  8. 豊平区…40.5%
  9. 東区…40.4%
  10. 白石区…36.7%

先ほどの犯罪率のランキングでも順位の良かった【清田区】【南区】【厚別区】が上位にランクインしています。逆に犯罪率でも下位だった【東区】【白石区】の賃貸比率が高いこともわかります。2つのランキングの関連性を比較してみると、ある程度似通っている部分がありそうです。

治安が良いエリアと悪いエリアの傾向

ここまでの統計情報をもとに【治安が良いエリアはどこなのか?悪いエリアはどこなのか?】を考えると、傾向として『持家比率の高い、一軒家が建ち並んでいるような住宅街では犯罪が起きにくく、治安が良い』逆に言えば、『賃貸住宅が多いエリアでは比較的、犯罪認知件数が多い』という事がみえてきます。

実際の街並みや、駅からの帰り道の雰囲気のチェックを忘れずに

これまで紹介した統計上の数値はある程度、根拠が明確な情報であり、噂やイメージ、先入観といったものではありません。お客様がどこのエリアにお引越しをしようか?を考える際に参考にしてみて頂けると幸いです。

ただ実際にお部屋を見学する際に、目で見て街を歩いて感じる生の情報に勝るものはありませんので、物件を見学する際には周辺環境も含めて確認する事がとても重要です。お時間が許すのであれば、昼間の雰囲気と夜の雰囲気を比較して、実際に駅からの道のりを歩いてみましょう。

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